Hexとは六角形の升目を持つ菱形ボードで遊ぶボードゲームのことです。

プレーヤーは2人、交互にコマを一つずつボードの升目においていきます。(コマがすでに置かれている マスにはコマは置けません。) 菱形の向かい合う辺にある陣地の間を自分のコマでつないだほうが勝ちです。

下はゲームの1例です。

このゲームには、引き分けは決してありません。このことは、次のようにしてわかります。

補足:上の証明のなかで「二人のプレーヤーが両方とも陣地をつなげない、ということはない」 と書きましたが、じつはこのことは升目の形に強く依存しています。 升目が6角形でないときはこの限りではないのです。実は「升目が六角形」ということはHexのゲーム性と 深く結びついているのです。当日は升目の形を変えたバリエーションのゲームも展示、分析する予定です。

引き分けがないことに加えて、このゲームは実は先手必勝であることが数学的に証明されています。 「なんだ、じゃあつまらないゲームなのか。」と思われるかもしれません。ところがそうではないのです。 証明されているのはあくまで「先手必勝である」ということだけ。「先手はどうしたら必ず勝てるか」という 方法のほうはわかっていないのです。したがって、先手が有効でない手をうってしまえば、後手が勝つことも ありえるのです。

ただし、このゲームは先手が有利であることは確かです。コマを交互においていくというこのゲームの性質上 、先手がコマをうった直後は先手のコマの数が後手のコマの数を1つ上回 っている状態が生じるからです。ボードが小さいときはこの効果が 支配的で、ほぼ先手が勝ってしまいます。ところがボードが大きくなると打つコマの数が 増え、この上回り効果の影響が相対的に小さくなり、ゲームは公平に近くなっていきます。 同時に手の”読み”が複雑になっていく為腕の差が物を言う”深い”ゲームになっていきます。

今回はこのHexの対戦プログラムを展示します。あなたはコンピュータに勝てるでしょうか? また、スタッフとの対人戦も行う予定です。鍛え抜かれたスタッフとの熱い対局をお楽しみください。

ボードゲームが大好きなあなた、ボードゲームに自信のあるあなた、ぜひ五月祭研究展示へお越しください。

東京大学工学部 物理工学科 計数工学科 有志

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